事業内容
東邦アセチレンは、多岐にわたる事業セグメントを持つ企業グループであり、主に高圧ガスの製造・販売、器具器材の仕入れ・販売などを行っています。このグループは、東邦アセチレンを中心に、連結子会社15社、持分法適用関連会社3社、持分法非適用の非連結子会社6社、関連会社9社、その他の関係会社1社で構成されています。
ガス関連事業では、溶解アセチレン、酸素、窒素、アルゴン、水素、食品添加物用亜酸化窒素、液化石油ガスなどの各種ガスを製造・販売しています。これらのガスは、溶接や切断、鉄鋼業での使用、医療用吸入、半導体製造、食品加工、家庭用及び工業用など、幅広い用途に供給されています。製造は、北日本アセチレン㈱や多賀城工場、東邦酒田水素㈱などの子会社や工場で行われ、販売は各地区の事業所や営業所を通じて直接顧客へ届けられます。
器具器材関連事業では、溶接材料や溶接切断器具、生活関連器具などを取り扱っています。これらの製品は、建築鉄骨、造船、建機製造などの産業や、液化石油ガス供給機器などの生活関連機器の仕入れ・販売を行っており、直接顧客や販売店への販売を実施しています。
自動車機器関連事業では、自動車部品メーカーの生産ライン用機器の仕入れ・販売を手がけています。また、製氷機関連事業では、漁協や食品メーカー向けの製氷・冷凍機械の受注・施工を行っており、㈱タガワなどが関連会社として名を連ねています。
その他の事業としては、建設工事の受注・施工を行っており、三協建設工業㈱などが関連会社として活動しています。これらの事業を通じて、東邦アセチレングループは多方面にわたるニーズに応える製品とサービスを提供しています。
経営方針
東邦アセチレンは、産業ガスと関連技術・機器の提供を通じて、事業基盤の強化と収益力の向上を目指しています。同社は、工場の安全・安定的な運営、健全な財務体質の維持、ダイバーシティ経営の強化、SDGsへの貢献、広報・IR活動の強化を推進し、経済的価値の創造と社会への貢献を基本方針としています。企業倫理と遵法の精神に基づいた活動を行い、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。
東北、北海道地域の経済見通しは厳しく、地域購買力の減退や公共事業の減少が予想されます。しかし、東邦アセチレンは、これらの地域における事業会社の総合力を活かし、安定収益の継続を目指します。ガス関連事業では、セパレートガスの用途開発や水素関連事業の強化、エネルギー関連分野では、災害時に強い液化石油ガスの普及や省エネルギー機器の販路開拓、食品関連分野では、環境負荷低減技術の開発や新型ホイップ製造機の市場投入、メディカル関連分野では、医療用ガス・機器の販路拡大や在宅医療ビジネスへの参入を推進します。
また、器具器材関連事業では、産業ガス事業と一体化した営業活動の強化、新規顧客の開拓、製氷機関連事業では、国外を含む新規顧客の獲得や環境に配慮した製品開発による事業拡大を目指します。構造改革として、販売力・収益力の分析に基づき、成長戦略達成に向けた新たな人材戦略、ダイバーシティへの取り組み、グループ組織及び人員配置の最適化、IT化の推進を行います。
新中期経営計画では、連結売上高400億円、経常利益25億円(経常利益率6%以上)、親会社株主に帰属する当期純利益16億円の達成を目指し、ROE8%以上、自己資本比率の向上、1株当たり50円以上の年間配当の維持を目標に掲げています。これらの戦略を遂行する上で、事業リスクの顕在化や経営環境の急激な変化に注意を払いながら、課題解決を進めていく方針です。