堺化学工業は、化学工業製品の製造販売を主軸に展開している企業であり、その事業範囲は広大です。同社は、連結子会社16社及び非連結子会社2社を含む企業集団を形成しています。事業内容は大きく分けて化学と医療の二つのセグメントに分類されます。

化学セグメントでは、酸化チタン製品（ルチル型酸化チタン、アナタース型酸化チタン等）、樹脂添加剤（金属石鹸、鉛系安定剤、錫系安定剤、脱鉛安定剤等）、バリウム製品（硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム等）、触媒製品（脱硝触媒、ダイオキシン分解触媒、還元ニッケル触媒、ポリエステル重合用触媒等）、電子材料（高純度誘電体粉末、高輝度無機発光材料、球状シリカ等）、亜鉛製品（酸化亜鉛、亜鉛末、透明性亜鉛白等）、機能材料（化粧品用超微粒子酸化亜鉛、化粧品用超微粒子酸化チタン、化粧品用板状硫酸バリウム等）、その他の化学品（有機リン化合物、有機イオウ化合物、水処理剤、有機顔料、加工顔料、機能剤分散体、感光剤中間体、路面標示材、カラー舗装・塗工材、医薬品原薬・中間体、衛生材料、その他の無機及び有機化学品）を製造及び販売しています。

医療セグメントでは、医療用医薬品（バリウムX線造影剤、消化性潰瘍・逆流性食道炎治療薬等）、一般用医薬品（感冒薬・胃腸薬等）、その他の製品（機能性食品、医療機器等）の製造及び販売を行っています。

これらの事業を通じて、堺化学工業は多岐にわたる製品を提供し、化学工業分野における幅広いニーズに応えています。また、国内外に多数の関連会社を持ち、グローバルな事業展開を行っています。

堺化学工業は、化学と医療の二つのセグメントを中心に事業を展開している企業です。同社は、総合的な成長戦略を推進しており、その核心には「SAKAI INNOVATION 2023」という中期経営計画があります。この計画では、稼ぐ力の再挑戦と確実な増益体質の実現を目指しています。具体的には、成長事業、安定事業、効率化検討事業の三つのカテゴリーに分け、それぞれの事業に対してメリハリをつけた方針で取り組んでいます。

成長事業では、電子材料と化粧品材料に注力し、新たな市場の開拓と製品の拡販を目指しています。安定事業では、受託加工と有機化学品に焦点を当て、顧客ニーズに応える技術レベルの向上とビジネスの安定的拡大を図っています。効率化検討事業では、酸化チタン・亜鉛製品や樹脂添加剤、触媒などの事業において、収益の改善を目指しています。

また、堺化学工業は、環境と人にやさしい工場・オフィスの実現、10年先の社会を見据えた新事業への取り組み、安定的・継続的な株主還元を目標としています。これらの取り組みを通じて、持続可能な開発目標（SDGs）に貢献し、社会的貢献を希求しています。

経営環境の変化に対応しながら、堺化学工業は、中期経営計画の目標達成と持続的成長を目指して、諸施策の展開を積極的に推進しています。