事業内容
石原産業とそのグループ会社(子会社33社及び関連会社5社)は、無機化学分野、有機化学分野、およびその他の事業の3つの主要セグメントで事業を展開しています。無機化学事業では、酸化チタン、機能性材料、その他化成品の製造・販売を行っており、酸化チタンは石原産業と富士チタン工業で製造し、国内外の市場に販売しています。台湾石原産業は、酸化チタン製品の輸入・販売を担当しています。
有機化学事業では、農薬(除草剤、殺虫剤、殺菌剤等)、有機中間体、医薬、動物用医薬品の製造・販売を行っています。農薬は、石原産業が製造し、国内では石原バイオサイエンスを通じて、海外では直接または間接に販売しています。ISK BIOSCIENCES EUROPE N.V.は欧州・中東・アフリカ地域、ISK BIOSCIENCES CORP.は米州で農薬事業を統括し、製剤・販売を行っています。また、医薬品原末の受託製造や動物用医薬品の製造・販売も手掛けており、米国ではISK ANIMAL HEALTH, LLCがこれを担当しています。
その他の事業としては、商社業や建設業があります。石原テクノは、無機・有機化学製品の販売や原材料の調達、一般化学工業品の仕入・販売を行っています。石原エンジニアリングパートナーズは、生産設備やプラントの建設・修繕を手掛けています。これらの事業を通じて、石原産業グループは幅広い化学製品の製造・販売および関連サービスを提供しています。
経営方針
石原産業は、化学技術を駆使してより良い生活環境の実現に貢献することを目的とし、社会、生命、環境への貢献を基本理念に掲げています。同社は、長期ビジョン「Vision 2030」を策定し、「独創・加速・グローバル。化学の力で暮らしを変える。」をスローガンに掲げています。このビジョンの下、2030年までに連結売上高2,000億円超、連結営業利益率15%以上、ROE10%以上を目指しています。
中期経営計画「Vision 2030 StageⅠ」では、ESG・SDGs視点での経営の取り組み強化を基本方針としており、サステナブルな企業価値創造を目指しています。具体的には、全社及び各事業レベルでの重点施策を定め、毎年の事業計画を見直し、最終年度の業績目標達成に向けて取り組んでいます。
無機化学事業では、高機能・高付加価値品の販売比率向上、電子部品材料と導電性材料の拡販戦略の実行、新製品の開発加速などを重点施策としています。有機化学事業では、主力農薬原体の世界一低コスト製造と安定供給による市場占有率の拡大、次期主力農薬の製造コスト低減と需要拡大、バイオラショナル分野の開発・商品化などに取り組んでいます。
これらの施策を通じて、石原産業は、原燃料価格の高騰、地政学リスクの高まり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、カーボンニュートラル、急速なデジタル化等の不確実性が増す事業環境の中で、サステナブルな社会の実現に貢献し、企業価値の向上を目指しています。