2020年12月31日 08:00
既存顧客売上だけで6割成長
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企業向けのデータ分析基盤を提供するアメリカ企業Snowflakeは、9月16日に株式の新規上場を果たした。初値は245ドルで、公開価格の120ドルの2倍以上となった。現在の時価総額は914億ドル。

2012年にフランス出身の超仲良し2人が立ち上げたSaaS企業で、収益モデルはサブスクではなく従量課金制だ。彼らのクラウドプラットフォーム上の「ストレージ」と「コンピュート(計算)」を利用した分だけ課金される。

Snowflake

8〜10月期決算は成長がやや鈍化しつつも、引き続き高い成長率を維持している。

  • 売上高は1.60億ドル(前年比119%増)
  • 営業損失は、株式報酬に関する費用とほぼ同額の1.69億ドル
  • 顧客数は3,500社以上、うち年間100万ドルを支払う超大口顧客は62社

顧客数は順調に伸びているが、ネット・リテンションレート(既存顧客の前年比売上)だけでも62%も拡大している。

地域別では、2020年1月期の売上の86%はアメリカ圏で、アジア太平洋はわずか3%だった。今後、海外の顧客にもリーチを拡大していくことで、成長スピードの再加速が期待される。

11月9日には投資ファンド『Snowflake Ventures』を設立。すでに、エンタープライズAIの「DataRobot」やイスラエルのサイバーセキュリティ「Hunters」などに投資を実施している。

【過去記事】Snowflake決算:圧倒的な規模と成長、ビジネスモデルから改めておさらい