2020年12月30日 08:00
危機化に「無料プラン」推進
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チームコラボレーションツールを提供するAtlassianが発表した7〜9月期決算は、最終損益が2,432万ドルの赤字だった。

  • 売上高は前年比26.4%増の4.6億ドル
  • 営業損益は1,193万ドルの黒字に転換
  • サブスクリプション売上は前年比38.2%増の2.8億ドル

Atlassianは今回挙げた他SaaSと比べても、中小企業に人気だ。顧客数は18万2,717社(前年比14.4%増)にものぼる。

2020年のパンデミック下では、多くの中小企業が大きな向かい風に直面した。大企業と比べ、破綻や経営悪化による解約も多い。

こうした状況下でAtlassianは「攻め」に出た。人材採用ペースを積極化。3月にはスモールチーム向けに『Atlassian Cloud』を無料で公開した。顧客の裾野をさらに広げようという狙いだ。

Atlassian

4〜6月の顧客純増数は3,046社に減少したが、7〜9月の3ヶ月間は8,620社を記録。うち95%はクラウド製品を選択。前の3ヶ月に比べて解約率が改善し、純増数が拡大した。

18万社超いる顧客企業のうち75%は依然オンプレミス製品(非クラウド)を利用している。Atlassianは2024年2月、サーバー製品のサポート終了を予定。スムーズに移行するかにも注目したい。

Atlassianの株価は年初来で約2倍、2016年のIPOから10倍以上に上昇。時価総額は600億ドルを超えた。売上4.6億ドルを4倍した年換算売上18.4億ドルに対する30倍以上の水準にある。