CiscoがSlidoを買収
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シスコと言えば、世界最大のネットワーク機器企業。1984年に創業し、その筋では圧倒的なポジションを築いた。
インターネットブーム期、シスコは積極的な買収者の一つだった。
その後、2007年には動画会議ツールのパイオニア、WebExを32億ドルで買収。広い目で見れば、通信機器も動画会議も同じコミュニケーションというわけだ。
3年後の2011年、WebEx出身のエリック・ヤンが作ったのがZoomである。彼の原体験が学生時代の遠距離恋愛にあるという話は過去に特集した。
ヤンがZoomを創業したのは、WebExがとにかく使いづらいから。その結果、Zoomの台頭を許してしまったのは事実だ。
WebExをもっと使いやすく
WebEx側も黙ってはいない。シスコは、WebExを「対面で話すよりも10倍良い体験にする」ことをゴールに取り組んでいるという。
その中で重要なのが、動画ミーティング中の会話である。当然だが、動画会議では一度に一人しか話せない。何人参加していようとである。
これが大人数でのZoom飲み会を奇妙な体験にするが、仕事上でこの課題を解決する手段が「Slido」などのツールである。
Slidoはオンラインで使えるリアルタイムQ&Aシステム。アンケートやクイズなども扱う。これを使えば、大人数の意見を即座に集められる。月間700万人の参加者がいるという。
シスコは、このSlidoを買収する。買収により、SlidoはWebExと高度に連携することになる。
気になるのは、これに対するZoom側の動きだ。最近の動向を見ていると、Zoom自ら同様の機能を開発してもおかしくない。
果たしてSlidoの買収は、WebExにとって起死回生の一手となるだろうか?