ザ・ノース・フェイスの成功で収益性向上。今後は自社ブランド「ゴールドウィン」で海外での成長を目指す

スポーツ用品ブランドのゴールドウインが成長を続けている。
同社の歴史は長く、創業したのは70年以上も前のこと。東京五輪では日本人金メダリストの八割が同社製品を着用していたというほどの実績を誇る。
しかし、長きにわたる経営が順風満帆なはずはない。スポーツ用品の選択肢が増える中でブランドの存在感は薄まった。海外ブランドの複数展開で活路を開き、現在の稼ぎ頭は『ザ・ノース・フェイス』である。
紆余曲折を経て、2018年以降の業績はうなぎ上りだ。2024年3月期の売上高は1,269億円。営業利益は238億円にのぼり、営業利益率は20%近くまで上昇。ほんの10年前まで5%に満たない利益率だったとは思えないほどの躍進である。
そんな同社が今後目指すのは、自社ブランド『ゴールドウイン』の成長であるという。果たしてその背景には何があるのか、同社の来歴と現況、今後の戦略について紐解く。