ドローンベンチャーのテラドローン(Terra Drone)が10月25日、東証グロース市場への新規上場を承認された。上場日は11月29日を予定している。
テラドローンは2016年に設立。立ち上げたのは現在も代表取締役社長を務める徳重徹氏だ。徳重氏は2010年にテラモーターズを創業、電動バイクをインドやアジア向けに販売して注目を集めた。
テラモーターズの新規事業として生まれ、スピンアウトしたのがテラドローンである。なお、旧テラモーターズは今年からテラチャージ(Terra Charge)に社名を変更、EV充電インフラ事業を展開している。現・テラモーターズでの徳重氏は「創業者」という位置付けで、経営には関与していない。
Finboard
テラドローンはスタートアップの世界において、積極的な資金調達で知られてきた。2021年にはシリーズAで15.1億円。翌年には80億円のシリーズB調達を実施した。
2023年にはサウジアラムコのVC『Wa’ed』から18.5億円を調達し、累計調達額は126.6億円に。中東を中心にドローン事業を展開する「Terra Drone Arabia」を設立した。
Terra Drone株式会社
海外ベンチャーへの出資にも積極的な打ち手を進めてきた。2016年にはベルギーのUTM(無人航空機の運航管理システム)開発会社「Unifly NV」へ出資。複数回の出資を重ねて2023年に連結子会社化した。
2019年にはインドネシアのUAV(無人航空機)サービス企業に出資、翌年には子会社化した。同じくオランダのUAV非破壊検査の技術を持つ企業に出資し、2022年に子会社化している。
事業面では2017年にドローン専用の画像処理ソフト『Terra Mapper』を発売。翌年には屋根点検ソリューション『Terra Roofer』の販売を始めた。2019年にはレーザ測量が可能な『Terra Lidar』を販売開始した。
テラドローンは、ドローンサービス企業として「世界トップ3」を標榜。14か国でサービスを展開する。海外ではオランダ、マレーシア、インドネシア、サウジアラビア、アメリカ、ベルギーに事業拠点を構築。2024年1月期の海外売上比率は39%にのぼる。
展開する事業は、大きく次の二つのセグメントに分かれている。