コミュニティを土台にした経済圏へ!アーティスト出身の起業家が生み出した「オシロ」の野望
今回取り上げるのは、2017年設立のスタートアップ企業、オシロだ。
代表取締役社長を務める杉山博一氏は、ユニークな経歴の持ち主である。世界一周後、現代画家を志したものの食い扶持を稼ぐため、デザインの仕事を始めた。苦悩する中で20代の終盤、制作したデザインが国際的なクリエイティブ賞に選出される。
30代を迎えた杉山氏は、アーティスト活動に終止符を打った。しかしデザイン活動も孤独であり、漠然とした不安も感じる。名著『ビジョナリー・カンパニー』を読んで薫陶を受け、方向性を模索する中で共同創業者と出会い、IFAの事業を立ち上げた。その会社は約5年を共にし、2024年には新規上場を果たした。
続いて出会ったのが、オシロの共同創業者となる四角大輔氏だ。メルカリの小泉文明氏などスタートアップ界の実力者たちからの支援も得て、独自のプラットフォームを構築することになった。
オシロが展開するのは、熱量の高いファンとの継続的な関係を構築できるサブスク型のコミュニティ専用オウンドプラットフォーム。ユニコーン企業の「Patreon」と共通する部分もあるが、コミュニティ型であることが大きく異なる。独自の世界観を具現化しつつある起業家、杉山博一氏に話を聞いた。