創業経営者が企業価値を毀損した?成長鈍化で軟調「Twilio」にみる戦略の失敗
顧客エンゲージメントプラットフォームを標榜するTwilioが2月14日、2023年10〜12月決算を発表。売上高は10.8億ドル(前年比5%増)、営業損失は3.6億ドルだった。
かつて株式市場を熱狂させた同社も、成長がすっかり鈍化した。それでいて黒字化には至っていないのだから、株価が低調なのは不思議ではない。時価総額は現在110億ドルで、2021年のピーク時から約七分の一に下落した。
主軸のコミュニケーション部門(Communications)は10億ドル(前年比5%増)を売り上げた。2020年に買収した顧客データプラットフォーム「Segment」は同じく7,500万ドル(同4%増)と成長が鈍い。
Twilioを使うとSMSを使った認証処理を簡単に作れるため、世界中のWebサービスで利用されている。しかし逆に言うと、「単にメッセージを送れれば良い」だけのケースが大半だ。創業者によるビジョンドリブンの経営がいかにして苦境を導いたか、本記事で考察する。