レアメタル特集!身近な希少金属「ニッケル」からひもとくEV電池をめぐる競争
現代の生活を成り立たせる上で欠かせない存在である「金属」。
国立研究開発法人 物質・材料研究機構によれば、ひと口に金属と言ってもいくつかの大きく三種類ある。「ベースメタル」「貴金属」「レアメタル」というのがそれだ。
ベースメタルは鉄や銅、亜鉛、鉛、アルミニウムなど。社会の中で大量に必要とされ、実際に大量生産されている。これらがなければ現代社会は成り立たないが、潤沢に供給されているものでもある。
貴金属は金、銀、プラチナなどの8元素。希少で耐腐食性があるのが特徴だ。ちなみに残り5つはパラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムである。
そして、産業に利用される希少な金属を「レアメタル」と呼ぶ。定義は様々だが、経産省によれば「地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属のうち、安定供給の確保が政策的に重要」なもの。ちなみに、「レアアース」はレアメタルのさらに一部分である。
レアメタルが話題にのぼるとき、話が「電気自動車」に及ぶことは少なくない。今後さらに重要性が高まるとされる中、物理的に多くのレアメタルを必要とするためだ。
それはすなわち、資源をめぐって大きな問題が生じかねないということでもある。今回はレアメタルの中でも最も身近な存在と言える「ニッケル」に注目し、その経済的な側面とともに紹介する。