自動車向け半導体で急拡大「オン・セミコンダクター」の成長戦略
今回紹介するのは、米国アリゾナ州フェニックスに本拠をおく半導体メーカー「オン・セミコンダクター」、通称オンセミだ。
同社はもともと、1999年にモトローラの半導体コンポーネント部門をスピンオフして設立された。数々の買収を経て、2022年までの二年間で急拡大。今をときめく注目半導体企業の仲間入りを果たした。
業績悪化にあえいでいた2020年、CEOに就任したのがハッサーン・エルコーリー氏。半導体産業で長くキャリアを積んできた経営者で、自らを「車狂(Automotive Enthusiast)」と称する。
エルコーリー氏は2021年、自動車産業向けを中心とした領域に集中する方針を表明。これが見事にハマり、株式市場での評価も飛躍的に高まった。今回の記事では、その成長戦略について紹介する。
まずは初めに、オンセミの成り立ちから確認しよう。母体となったモトローラは、かつて米国を代表するテクノロジー企業だった。