アリババグループ:事業会社のスピンオフで企業価値を向上させられるか?
アリババグループが今、大きな経営上の転換点にさしかかっている。今年3月に発表された通り、六つの事業体にグループを分割し、外部からの資金調達や株式上場を目指す方針を公にしたのだ。
5月18日に発表された2023年3月期本決算は、経営状況や今後の方針について、より詳細な方針をスケジュールとともに示した。しかし、その後も株価は冴えない。時価総額は今や2,095億ドルまで値下がりしてしまった。
中国経済をめぐる不透明さに加え、アリババグループ自体の勢いも鈍化している。中国コマース事業のGMVは前年比で純減し、その他の事業は赤字。増収率も低迷している。コスト削減により利益水準は回復したが、今後の成長性に関する疑念を払拭できずにいる。
今回の記事では、アリババグループの現在の状況を整理した上で、今後のグループ分割について経営陣が語った内容を紹介する。