住宅版スーパーアプリ目指す米Zillow Groupが掲げる「5つのテーマ」とは
今回特集するのは、米国で大手不動産サイトを手掛けるZillow Group(ジローグループ)だ。その存在感たるや堂々たるもので、インターネット検索の回数は「不動産(Real estate)」より「Zillow」の方が多い。
米国では、住宅市場にも大きな逆風が吹いている。住宅ローン金利が上昇し、経済の不透明感が増す中で買い控えが起こり、住宅価格に急ブレーキがかかったのだ。
そんな中でZillow Groupも、難しい経営上の舵取りを続けてきた。2021年末には、自ら住宅を仕入販売するiBuyer事業からの撤退を宣言。昨年9月に全ての在庫を売り切った。
創業者で今なおCEOを務めるリッチ・バートンは、次なる成長を実現するために「5つのテーマ」に注力するという。その先に見据えるビジョンは、「住宅版スーパーアプリ」だ。
今回の記事では、米国を代表する不動産テック企業であるZillow Groupが掲げる成長戦略について解説する。不透明な状況下で、彼らはどのように新たな展開を作り出そうとしているのだろうか。
Zillowは、米国で圧倒的な規模を誇る住宅情報サイトだ。アプリのDAU数では、Realtor.com(二番目)やRedfin(三番目)と比べ、3倍も多く使われている。