売上高は10年前の2.9倍!カチタス社長に聞く「地方の空き家」を売れる商品にできた理由
日本の「空き家」は2018年時点で6242万戸に達している。これは国内の総住宅数の13.6%を占めており、増加ペースは加速している。
総務省統計局「平成30年住宅・土地調査統計調査」より引用
その理由として、地方の過疎化や高齢化問題があるのはもちろんだが、根本的な理由がある。地方で中古の一軒家を持っていてもお金にならないので、親族が譲り受けたり、相続したがらないからだ。
日本人は新築信仰があると言われており、特に一戸建てはその傾向が顕著なのである。
そんな中、空き家のうち「地方の一戸建て」に限定して買い取り、自力でリフォームして販売まで行っているのがカチタス(群馬県桐生市)だ。
同社の売上は右肩上がりだ。一戸建ての空き家を買い取りから販売まで一手に担っている企業はそれほど多くなく、寡占の状況でもある。2024年4月1日から、相続登記の義務化が開始されるため、「空き家」の流通も活発化する可能性が高い。この状況で追い風が吹いているというわけだ。
2017年にはニトリホールディングスと資本業務提携。ニトリの家具付き住宅を販売するなどといった協業などを行っている。また、同年東証一部(現在は東証プライム)にも上場した。
なぜカチタスがこの分野で伸びることができたのか。カチタス代表取締役社長の新井健資氏に「空き家ビジネス」の本質と今後の成長可能性とともに、「売れる空き家」のポイントと落とし穴について聞いた。