ソフトバンク孫氏「いつやるか?今でしょ」 講演要点をそのまま紹介
ソフトバンクグループ

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が、通信子会社ソフトバンク主催の法人向けイベント「SoftBank World 2022」で基調講演に登壇した。1時間のスピーチのなかで、AIによる情報革命の重要性を多面的に紹介している。

「日本の全てのビジネスマンが芋虫でなく、美しい蝶として大空に羽ばたいてほしい」。孫氏は「いつやるか。今でしょ」などとユーモアを交えながら、より多くの日本のビジネスパーソンがDXに主体的に関わってほしいと鼓舞した。

今回の記事では、発言内容を各ポイントに絞って紹介する。

グロテスクから美しいものに

皆さん、子どものときに蝶々を捕まえたことはありますか。僕は大好きで、網でたくさん捕まえて眺めていたんですけど、すぐ死んじゃう。かわいそうになって、逃がしてあげるようになりました。

あるときに幼虫の芋虫を見つけました。大事に育てていたら、ある朝起きると木の枝にサナギになってくっついていました。また何日か経ったらパーっと割れて、くしゃくしゃの羽の蝶が生まれてきたんですね。

みるみるうちに凛と張り張り詰めた羽に変わって、見事に美しいアゲハチョウになりました。芋虫からサナギ、蝶々と、姿も形も似ても似つかない。グロテスクなものから美しいものに変身した姿に感動を覚えました。

孫正義氏が7月28日の「Soft Bank World 2022」でスピーチした=Strainer

今日のテーマはデジタルトランスフォーメーション(DX)。ニュースでは、いまだにFAXで情報を送っていたなんていう話もあります。我が国がそんな状態だったのかと驚きました。

FAXがeメールに変わったぐらいであれば、芋虫がサナギに変わった程度。自慢する市長、県知事がおられますが、もう全然話にならない。美しい蝶々に変わらなければ、と心から思っているわけです。

単にデジタル化するだけではない。AI化まで進んで、本当の意味でデータをフル活用して、未来を予測する。いろんな変革をもたらす。そこまでいかなければ、本当の意味でのDXにならないと思います。

「AI必要か」議論の暇もない

日本の現状はどうか。この20年間、日経平均は2.8倍でありました。一方、アメリカは遥かに大きく伸びている状況です。日本の競争力は今や、34位まで低迷しています。

このままではいけない。何が何でも巻き返さなければいけない。そのためのAI革命こそ、DXの行き着く先だと思っています。これが成されると、社会の原動力になります。未来が予測できます。

天気予報、為替、株価とかあらゆるものを需要予測し、様々な問題を解決することができるようになる。発明や開発を40倍のスピードで創出し、新製品開発も10倍早まるといったデータも出ています。

日本企業のAI導入率、世界では数えたくないぐらい遅れている。ロシア、チリ、スリランカにも。まず経営層に理解があるのがアメリカだと75%、日本は24%です。

「AIは必要なのか」と議論する有識者だとか、いろいろな人がいます。けれどその間に、世界の先進国各国はどんどん導入している。そういう議論をしてる暇もないという状況です。

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