銀行DXのパイオニア北國FHD・杖村修司社長が語る“デジタル化の先”のシナリオ
日本の金融機関はデジタル化が遅れているとよく言われるが、早くから「DX」を進めてきた銀行がある。店舗統廃合やシステム投資を2000年頃から戦略的に行ってきた北國フィナンシャルホールディングス(北國FHD)だ。
北國FHDは石川県金沢市に本店を構える地方銀行「北國銀行」の持ち株会社。昨年5月にはパブリッククラウドでのフルバンキングシステムを国内で初めて稼働させるなど、銀行業界の中でも飛び抜けてデジタル化が進んでいる。
海外にはnCino(米国、NASDAQ上場)のようにクラウド型バンキングシステムのSaaSとして成長する企業もある。nCinoはもともと米国の地方銀行のシステム部門からスピンアウトした会社だ。
国内に目を向けると、住信SBIネット銀行の「NEOBANK」のようにBaaS(Banking as a Service)を提供する企業も出始めた。そうした背景から、ITで先行していた北國FHDの動向は業界関係者も注視する。
北國銀行は昨年10月に持ち株会社化し、北國FHDに移行。グループ内事業会社を再編した。傘下にコンサルティング会社、投資専門会社、投資助言会社を新設。 中長期的には北陸3県を飛び出し、全国展開や海外展開も視野に入れる。
今回、北國銀行のDXをリードしてきた経営者、北國FHD社長の杖村修司氏にインタビューを行った。長きにわたる改革の中で、どんな失敗をしつつ今の姿があるのかを振り返り、DXの先に描く成長戦略と銀行の未来を聞いた。