投資判断の速報化で注目 オルタナティブデータ最前線
Finatextホールディングス

最近金融機関でにわかに注目されているのが「オルタナティブデータ」だ。

従来金融領域で使われてきた財務情報や経済統計といったデータを「トラディショナルデータ」と呼ぶことに対し、その他これまで利活用が進んでいなかったデータを「オルタナティブデータ」と呼ぶ。具体的には、POSデータやクレジットカードデータ、位置情報、衛星画像のような金融とは直接的にかかわりのないデータである。

一見金融の世界とは無関係に見えるデータだが、うまく組み合わせれば企業の公式発表よりも先にその会社の動きを知ることも可能になる。 たとえば、工場付近の人流データを分析して、そのメーカーの生産量が落ちていることが判断できるという。こうした背景から、クオンツファンドを中心にオルタナティブデータの活用が浸透し始めている。

これは世界的な動きである。2020年11月、米S&Pグローバルは同業の英IHSマークイットを買収した。その狙いには、IHSの産業データの取り込みがあったようだ。データ産業のM&Aも加速している。

オルタナティブデータの登場で、どんなことがわかるようになるのか。あるいは、投資行動はどのように変化するのか。オルタナティブデータに詳しいナウキャスト代表取締役CEOの辻中仁士氏に話を聞いた。

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