エフ・コードは昨年12月24日に東証マザーズへの新規上場を果たした。上場してからの期間は短いものの株価は急騰、公募価格を大きく上回る値段で取引されている(2022年1月6日時点)。
昨年末に発表された売上予想は、2021年に6.38億円(前年比20%増)。経常利益は1.49億円(同383%増)と大幅増益を見込む。
手がけるのは、CX(カスタマーエクスペリエンス)改善に関する事業。土台となるのは、創業以前より培ってきたWebコンサルティング事業者としてのノウハウだ。
「DX」の重要性が叫ばれる昨今、日本の新規上場企業の間にも、老舗企業のデジタルシフト支援を展開する会社が増えている。エフ・コードもそんな会社の一つであり、時価総額は170億円と市場から高い期待を受けている。
今回の記事では、エフ・コードの沿革とビジネスモデル、成長戦略までを一通り整理し、いつでも参照できるようなコンテンツを目指す。
エフ・コードは2006年、Webコンサルティング事業を提供する会社として創業。創業したのは、現在も代表取締役社長を務める工藤勉氏だ。
工藤氏は1984年生まれ。もとは外交官を目指し、官僚になるために東大に入ったが、熟慮の末にビジネス方面へと方針を転換。大学在学中、経営コンサルティング会社でのインターンを経験する。
その後はウェブ上で、自動車学校の斡旋ビジネスを経験。経歴上に「2004年 免許オンデマンド 取締役」という肩書きがあるが、おそらくはそれだろう。雇われ役員のような形で経営に携わり、インターネットの集客力を実感したという。
2006年にエフ・コードを設立してから、今の形に至るまでは長い時間をかけた。工藤氏自身、「本当の意味で安定成長に入ったといえるのは2011年頃から」と自社のインタビューで語っている。
そして2013年に開始したのが、エントリーフォーム最適化ツール「f-traEFO」だ。 Webコンサルティング事業を展開する中で、顧客から「エントリーフォームの離脱率が高い」という課題を聞いていた。それを解決するための方法をツール化したわけだ。
エフ・コードが展開する事業は、「デジタル顧客獲得支援サービス」「デジタル顧客育成支援サービス」の大きく二つに分かれる。
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・ほかのDX事業者との違いは「あるべき〇〇〇〇」から考えること
・エフ・コードが2021年大幅増益を見込んでいる要因
・上場後、大きな成長余地を見込んでいるのは〇〇の〇〇企業