今回は、次世代ファイアウォールなどを展開するセキュリティ企業「Fortinet」の2020年1Q決算（5月6日発表）について確認します。

足元の業績は、極めて堅調です。

売上高は5.8億ドル（前年比22.1%増）で、2年連続で成長が加速しています。営業利益も好調で、1.2億ドル（同129.1%）と大幅な増益となりました。

業績予想と1Q実績を比べてみると、売上・営業利益率（Non-GAAP）ともに上振れ。

唯一、売上総利益率が予想レンジ内に収まっていますが、他の項目は全て予想を上回っています。特に、1株あたり純利益は前年比+30.4%と大きく上昇。

COVID-19感染症についても、Fortinetは「業績に大きな影響は与えていない」と強気です。足元好調のセキュリティテック企業Fortinetがどんな状況にあるのか、決算報告の内容を確認してみましょう。

３つのカテゴリがバランスよく成長

一般にはあまりなじみのないFortinetですが、創業は2000年。セキュリティベンダーとしては長い歴史のある企業です。

創業者のケン・ジー（Ken Xie）は、3つのセキュリティベンダーを成功させた連続起業家。スタンフォード大在学中の1993年に「SIS」、1996年には「NetScreen」を創業しています。

NetScreenは、Juniper社によって40億ドルで買収。2004年のことです。

2000年に創業したFortinetはカリフォルニア州サニーベイルに本拠をおき、今では45.5万を超える顧客が利用するトップベンダーの一つとなりました。