日系コンサルファーム「ベイカレント・コンサルティング」が好調です。
売上高は330億円(前年比+35.7%)、営業利益80.4億円(同+79.1%)。大幅な増収増益となりました。
業績好調とともに株価もうなぎのぼりで、2019年の後半には新高値を更新。今年3月の市場急落時には大きく下げたものの、6月に入って再び新高値を更新しています。
2019年の初めと比べると、実に4倍もの株価上昇。時価総額は1,456億円にまで高騰しました。
足元の業績は当初の予想を概ね上回っており、営業利益は予想比で+10億円を超える上振れ。
コンサルティング会社としての存在は広く知られていますが、一体何がここまで業績を押し上げているのか。ベイカレントの会社としての背景から、足元の好調要因までを整理しましょう。
ベイカレント・コンサルティングは1998年、(有)ピーシーワークスとして設立されました。
創業者は江口新という人物で、2016年の新規上場時点では経営をすでに退いています。あまり情報の残っていない、わりと謎の人物。
2006年に(旧)ベイカレント・コンサルティングへと社名を変更し、2014年にはバイロン・ホールディングスを新設、旧ベイカレント社を吸収合併してバイロンHDを(現)ベイカレント・コンサルティングへと変更しました。
組織変更の目的は、いわゆるMBO(マネジメント・バイアウト)。新会社設立時にファンドから資金を調達し、旧法人を買収するというプロセスを行いました。
そのための箱としてバイロンHDを設立、吸収合併が行われています。
江口氏は現在でも株式の10.2%を握っており、代表取締役社長の阿部義之氏は(少なくとも見かけ上は)大株主のリストには入っていません(報酬は1億円を超えていますが)。そう考えると、なかなか複雑な歴史をもった会社ですね。
事業の内容は、経営・業務・ITに関する総合的なコンサルティング。
あらゆる業界の経営者を支援するための戦略立案から実行までの一連のサービスをワンストップで提供しています。
担当するコンサルタントは、クライアント先に適宜常駐する「共同検討スタイル」が特徴。クライアント固有の文化を共有しながらサービスを提供する「国内独立系」のコンサルティングファームです。