5年で株価10倍!Intelの廉価版だった「AMD」が“本物“を超えるまで
IntelとともにCPU産業の発展を支えてきた「AMD」が近年、急速にシェアを高めています。
AMDは1969年にシリコンバレーで誕生。創業者はフェアチャイルドセミコンダクター出身で、Intelとは兄弟関係にあるといえます。
これまでCPU市場ではIntelの支配が続いてきましたが、2019年7月にはAMDが日本国内のCPUシェアでIntelを抜いて1位に。低迷した株価がここ5年で10倍に上昇しています。IntelとともにCPUの歴史を築いてきた彼らが"本物"を超えるまでの軌跡を追いかけます。
コンピュータが研究室から飛び出して個人利用の「パソコン」へと進化していく中で、AMDはIntelと同一仕様の製品を製造するセカンドソース・メーカーとしてCPUを製造していました。
半導体製造には巨額の設備投資と期間が必要で、自社のみで需要に対応することは不可能に近い状況でした。発注主であるIBMがIntelにセカンドソース契約を義務付けたことで、AMDは設計情報の開示を受けてIntelと同スペックのCPUを製造するに至ったというわけです。
しかし、Intelは業績拡大に伴って急速に生産設備を強化。1985年頃からセカンドソース契約を打ち切りはじめ、多くの企業が撤退を余儀なくされました。