「Tesla」決算:フリーCF11億ドルを稼いで時価総額11兆円超え
米国の電気自動車メーカー「テスラ」が4Q決算を発表しました。
通期での売上高は246億ドル(前年比+14.5%)、営業損益は△6,900万ドル。前年から大幅に赤字額を削減し、ほぼトントンというところまできました。
4Qだけで見ると、売上は73.8億ドル(YoY+2.2%)、営業利益は3.6億ドル(YoY-13%)の黒字。前年同様、利益を出すことに成功しています。
世の中が電気自動車にシフトすると言われる前からこの領域に取り組んできたテスラ。どんな状況にあるのか、決算書類を紐解いてみましょう。
4Qだけで見ると、ほぼ業績横ばい(むしろ利益が減っているよう)に見えるテスラ。その内側では、大きな変化が起こっています。
一番分かりやすいのは、高価格帯の電気自動車「Model S」「Model X」から、大量生産型の「Model 3」へのシフトが進んでいること。これは今まで通りのトレンドです。
Model 3の生産台数(四半期)は8.7万台(前年比+42%)、販売台数は9.26万台(同+46%)にそれぞれ拡大。一方で、Model S/Xはともに3割近く減っています。
売上構成が変わった結果、足元の収益性は低下しています。車両販売での粗利率(Gross margin)は23.3%から21.6%へと1.7pt下がりました。逆に言うと、Model 3の割合が上がっても、これだけ稼げているということでもあります。
この4Q、テスラは全体で11.2万台を超える車両を販売しましたが、驚異的なのは「広告費を一円も使っていない」ということ。