転職サイト「ビズリーチ」を手がけるビジョナルが3月17日、東証マザーズへの新規上場を承認された。上場日は4月22日を予定している。
いわゆる日本のホワイトカラーと呼ばれる社会人であれば、ビズリーチの存在を知らない人は少ないだろう。
日本は終身雇用が主流で、特に管理職レベルにおいて労働市場の流動性は低い。そんな中に、企業が人材に直接アプローチする「ダイレクトソーシング」を持ち込んだのがビズリーチだ。
このような採用活動について、ビズリーチは「ダイレクトリクルーティング」という言葉を創出、商標登録もしている。
彼らはどのようにして、ハイキャリア人材を中心とする人材プラットフォームを成功させたのだろうか。SaaS事業として展開する『HRMOS』シリーズなどと合わせ、目論見書の内容を中心にご紹介したい。
創業者の南壮一郎氏は1976年生まれ。父親の転勤にともなって少年時代をカナダで過ごした後、中学生の頃に日本に帰国した。
大学ではアメリカにタフツ大学に進学。日本での知名度は高くないが、ボストンにある名門私立大である。卒業後はモルガン・スタンレーの東京支社で働き始め、2001年には香港・PCCWグループに転職。
ITバブルが弾けた頃、南氏はかねてより持っていたスポーツ業界に入りたいという思いを強くする。紆余曲折をへて、2004年に楽天野球団に入社。創業メンバーとして、球団の立ち上げに携わった。
そこで成果を残した後、その後の人生について改めてじっくり考えたという。転職サイトも使ってみたが、満足のいくものもなかった。もともと起業志向があったわけではないというが、これが結果として「ビズリーチ」創業に結びつくこととなる。
ビズリーチの設立は2007年8月。会社を作ってからも、転職活動をしたりもしていた。