前回のエントリでは、ソニーの8セグメントの業績を比べ、最大事業であるゲーム部門についてチェックしました。
後編では、残り7セグメントのうち、収益性が大きく改善した「音楽」「半導体」「家電」「カメラ」の4つを中心に掘り下げたいと思います。
ソニーグループの中で、ゲーム部門に続いて稼ぎ頭となっているのが、音楽部門です。
セグメント営業利益率は29.2%と、グループ随一の高い利益率を誇っています。ソニーの音楽事業は、どうしてこんなに儲かっているのでしょうか?
一見して大きく変わったのが、「Visual Media & Platform」と書かれた売上の拡大です。2014年度と比べると3倍近くに拡大。
「Visual Media & Platform」では、子会社「アニプレックス」を中心にアニメ作品の制作、そこで生まれたIP(知的財産)を土台としたソーシャルゲームの制作などを行なっています。
中でも成功したのがスマホゲーム『Fate/Grand Order』で、中国でもインターネット企業「bilibili」が発売元となり、国内外で大ヒットしました。
ソニーの音楽部門が好調である要因の1つは、『Fate/Grand Order』の大ヒットで説明できそうです。
(決算公告によると、2017年度のアニプレックス営業利益は511億円)
それ以前にも『鋼の錬金術師』のアニメ製作を手がけてソニーミュージック所属のアーティストを連携させるなど、戦略的な投資を行なってきています。
そのほか、日本や東南アジアを中心に展開するライブハウス『Zepp』も、ソニーミュージックの傘下にあります。
「Visual Media & Platform」は急成長したものの、2018年度の売上は2,614億円。音楽部門の営業利益2,325億円を説明するには足りそうにありません。