皆さんは、ゴミの収集を行う団体や企業というとどのようなものを思い浮かべますか?
多くの方が市町村などの地方自治体や、町のリサイクルショップを想像するのではないでしょうか。
実際、生活の中で出されるゴミ(一般廃棄物)は、基本的に各地方自治体が回収、処理しています。
しかし事業活動を通じて出るゴミ(汚染水や汚染土壌などの産業ゴミ)はどうでしょうか。
関係者でもない限り、特定の会社や団体の名前は出ないと思います。
今回、皆さんに紹介するのは、そんな産業廃棄物処理会社でも、ニッチ戦略を取ることで創業1年でIPOし、米国におけるシェア3位まで事業を急成長させた「Waste Connections」という会社です。
(ホームページ)
Waste Connectionsは1997年、アメリカ北西部のワシントン州・アイダホ州のゴミ処理業界で働いていた人たちにより、カリフォルニアで設立されました。
その事業は急成長を遂げ、なんと1998年5月、創業からわずか1年後にIPOを果たしました。
その後も事業を拡大させていき、現在アメリカ38州とカナダ6州で事業を行っています。
ゴミ処理業界は、一般的に取り扱い規制などの観点からイノベーションが起こしにくく、業界への参入障壁が高いとされています。
そのため、すでに参入しているプレーヤーはその地位を確立しやすく、一度地位が確立したプレーヤーのいる地域に新たな企業が参入しても生き残るのが難しいのです。
それにも関わらず、Waste Connectionsは短期間で急成長をとげ、現在も、業界を圧倒的に上回る成長を成し遂げています。
以下のグラフは2008年のWaste Connectionsの売上とその市場である固形廃棄物処理市場の規模を100とし、それらの推移を比べています。