ソフトバンクグループの「アーム事業」実際どのくらい凄いのか
英国の半導体企業「アーム(Arm)」。さかのぼること2016年9月、ソフトバンクグループが約3.3兆円もの巨額を投じて買収した企業だ。
広く報道されてきたように、孫正義氏はアームを米国の「NVIDIA」と合併させることで、NVIDIAの大株主になるというプランを立てた。ところが各国政府やトップIT企業からの猛反発を受け、白紙に戻さざるを得なくなった。
孫氏が先日の決算発表で熱く語ったように、次なる計画として進めるのは「アームを米国の株式市場に上場させる」こと。2022年度に、半導体業界史上最大の上場を目指すことを明らかにした。
2016年に買収した当時は、日本電産の永守会長が「私なら3,300億円でも買わないでしょうね」などと話したこともあった(同氏がM&Aを得意としているのは周知の事実だ)。
NVIDIAによるアーム買収は、ソフトバンクグループにとってこれ以上ない成果をもたらす可能性があった。最大400億ドルとして示された買収の条件は、現金120億ドルに加えてNVIDIA株式4,430万株分。当時は215億ドルだったが、現在の株価なら473億ドル分にあたる(株式分割も考慮)。
今回の記事では、それほどまでに評価されるアームがどのようなに発展してきたのか。その発展の歴史から強さの秘密、今後の展望について紐解く。