Microsoftが買収する「Nuance」とはどんな会社なのか?狙いも考察
4月12日、Microsoftが「Nuance Communications」買収を発表した。音声認識技術に特化し、この領域で絶大なインパクトを与えてきた老舗企業だ。
関係する具体例として、筆頭に挙げられるのがAppleの「Siri」だ。Siriのデフォルト音声は女性のものだが、スーザン・ベネット氏という声優が吹き込んだ声がベースになっている。
当時は誰も予見できなかったことだが、それから数年後、Siriのベースにベネット氏の声が使われる。テクノロジーの土台を提供したのがNuance社だ。
MicrosoftによるNuance社の買収には、決定的な狙いが一つある。それはヘルスケア領域を中心とした業界特化型ソリューションの拡大であり、具体的には『Teams』との連携だ。
今回の記事では、Microsoftが買収する「Nuance」とは一体どんな会社なのか、沿革からさかのぼる。その上で現在の事業モデルを確認し、197億ドルもの巨額買収でMicrosoftが何を獲得するかを詳しくみていこう。
テクノロジー産業は、「コンピューターに自然な言葉を話させる」ことに長年、苦労してきた。