Candy Crush運営のKingを買収したActivision Blizzardの業績

Activision Blizzardは海外のゲーム企業で、現在はXbox OneやXbox 360、Nintendo Wii U、Sony PS4などで遊べるゲームを開発している。

2015年11月にはCandy Crushなどを提供していたKing Digital Entertainmentを59億ドルで買収、完全子会社化した。

全体の損益推移

売上高はここ5年間は安定して44-49億ドルで推移している。純利益率も20%前後と高い水準で安定している。これ以前のデータも見たが、業績のピークは2012年度のようだ。Kingを買収したのは2015年度なので、Candy Crushなどの売上高は含まれていないとのこと。

ゲームタイトル一覧を見てみたが、知らないのばかり。それほどゲーム好きでもない日本人にとって、任天堂やスクエニとかじゃないゲームって考えてみたらほとんど入ってこない気がする。

まあそれはおいておいて、Candy Crushの事業インパクトを知りたかったので、2016年11月提出の四半期報告書(Form 10-Q)を見てみる。

こちらは事業セグメントごとのMAU(月間アクティブユーザー数)の推移。

MAUはソーシャルゲームを提供しているKingが圧倒的。直近で3.9億か。去年6月の5億MAUからだいぶ下がってはいるんだな。

セグメント別収益も見つけた。

今期の9カ月間だと、全体で39億ドル、そのうちActivition10億ドル、Blizzard17億ドル、King11億ドルの売上。全体の3割弱の売上がKingによってもたらされている。円グラフにしてみよう。

9ヶ月間のKingによる利益は3.8億ドルとのこと。1年間の利益を5億ドルとすると、買収するのに費やした59億ドルを回収するのに12年か。なかなか大変そう。。

まあとはいえ、Activition Blizzard自体が継続的にゲームを開発してきた企業なので、スマホゲームを作れるKingとうまくシナジーを生かせれば、任天堂がポケモンGoを出したような感じで時代にあったビジネスモデルの転換が果たせるのかも。というか、それが買収の主な目的なのかもな。

報告書にはこうあった。

> We made this acquisition because we believe that the addition of King’s highly-complementary mobile business positions the Company as a global leader in interactive entertainment across mobile, console, and PC platforms, as well as positioning us for future growth.

やはり、これまでのコンソールゲームに加え、モバイルに特化したゲーム会社をグループに加えることが買収の主な目的だったようだ。