DraftKings(後編)プロリーグが延期になった2020年、進めた戦略とは?
(前回の続き)
2012年に創業し、デイリーファンタジースポーツの展開で急成長をとげたDraftKings。彼らにとって一番のハードルは「法律」だった。
2015年にはFBIと米国司法省がデイリーファンタジースポーツの事業モデルを調査していることが報道される。DraftKingsの顧客に尋ねて回っていることが明らかになった。
2016年の終わりには、衝撃的なニュースが業界を騒がせる。DraftKingsとFanDuelの合併話である。
実現すれば、盛り上がっている市場のトップ2企業が一緒になるわけだ。両者はむしろ、バチバチに競い合ってきた。
やや遡って2014年、DraftKingsは「DraftStreet」を買収した。これについてFanDuelのCEOは「推計ではDraftKingsはうちの3分の1くらいのサイズだ。違うというなら、数字を開示しなよ」と挑発。
それから2年以上がたち、DraftKingsとFanDuelは米国における市場の90%超を握る二大プレイヤーに成長していた。
圧倒的な存在になった一方で、法的なコストは大きい。合併によってそれらの費用を統合し広告費も圧縮。収益性を高めるのが目的だった。
しかしながら、FTC(連邦取引委員会)は両社の統合を承認しなかった。実現すれば、ほぼ独占である。承認されなかったのは、当たり前のようにも見える。