2020年10月13日、ノルウェーの教材会社「カフート(Kahoot!)」にソフトバンクグループが19.8億クローネ(≒2.16億ドル)を出資、株式9.7%を取得したことが明らかになった。
カフートはゲームを用いた学習・エンターテインメント用オンラインプラットフォームを展開しており、新型コロナウイルスの感染が拡大する前から急速に成長している。
売上成長率は前年比4倍前後と、極めて高い成長が続く。足元ではやや加速しているが、これは新型コロナ拡大によるリモート教育の追い風によるものだ。
投資に関して最近良いニュースの少ないソフトバンクグループだが、出資したカフートには興味深いポイントが沢山ある。今回は、カフートが公開している決算開示資料をベースに、どんな会社なのかを紐解いてみたい。
カフートは2012年にモルテン・ヴァースヴィック(Morten Versvik)、ヨハン・ブランド(Johan Brand)、ジェイミー・ブルッカー(Jamie Brooker)の三人によって創業された。
始まりはノルウェー科学技術大学(NTNU)との共同プロジェクトで、同大学教授のアルフ・インゲ・ワング(Alf Inge Wang)、それから起業家のオースムン・フルセト(Åsmund Furuseth)も加わった。
土台となったのはヴァースヴィックがNTNUの修士課程で行った研究で、当時の彼はワング教授の生徒だった。
2013年3月、『SXSWedu』イベントでプライベートベータ版をリリースした後、同年9月には一般向けのベータ版提供も開始する。それ以来、急成長を続けてきた。
2018年にはMicrosoftやディズニーからも資金を調達している。
2019年10月にはオスロの「Merkur Market」に株式を公開。Merkur Marketはいわゆる伝統的な意味での「上場」ではない。承認プロセスはヨーロッパで最も迅速で、わずか1〜2週間で完結することもあるという。
2019年までにカフートは累計1.1億ドルを調達していた。そして今回、ソフトバンクグループによる2.16億ドルもの大規模出資が報道されたというわけだ。
米ヤフーファイナンスによると、カフートの時価総額は現在25億ドルを超える。2020年3月には怖いほどの暴落があったが、その後再び2倍近い水準に戻った。
カフートが特徴としているのは「ゲームベースの学習」だ。