収益構造の変化がSonyにもたらした業績回復!!! 
ソニーグループ


皆さんはソニーという会社にどのような印象を持っているでしょうか。テレビでしょうか、それとも音楽、ゲームでしょうか。今回はソニーの収益構造を昨年のものと簡単に比較したいと思います。


まずは売上高及び営業利益を見てみましょう。


売上高に関しては前年度比+22%ですが、営業利益はなんと440%と驚異的に伸びていることがわかります。


ソニーの決算を調べる際は単純に売上高及びに営業利益を見るだけでなくセグメント別の情報を確認する必要があります。なぜならソニーは様々な事業を展開しており、どのセグメントがどのくらい成長したか、していないかを確認するためです。


まずは前年同期、今期のセグメント別売上高とその割合を見てみましょう。


ご覧の通り展開している事業が非常に多く、セグメントが多すぎてグラフがわかりずらくなってしまいます。

しかしこのグラフからでも紫の部分であるG&GN、つまりゲーム及びネットサービスが目に見えるほど伸びていること、そして高い割合を示していることがわかります。


グラフではわかりづらいので書くセグメントの割合をスプレッドシートでまとめて見てみましょう。

割合
MC 9.994% 8.339%
G&GN 18.940% 21.004%
IP&S 8.017% 7.598%
HE&S 13.908% 14.589%
半導体 11.468% 11.074%
映画 11.374% 11.830%
音楽 8.893% 10.017%
金融 15.423% 13.537%
その他 6.004% 5.469%
全社 -4.020% -3.457%

左側が昨年、右側が今年のデータを表しています。


上のグラフで確認した通りG&GNは役3%割合を増やしていることがわかります。そして最も多い割合を占めているセグメントです。さらに注目すべきは金融セグメントが2番目に大きい割合を占めているということです。


テレビやゲーム、音楽のイメージが強いソニーですが実は金融業が大きな収益源となっているのです。ソニー損保やソニー銀行など聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。それらの事業が全体の売上高の15%弱も占めているのです。



次に営業利益に関する分析です。


昨年度の第二四半期に関しては半導体・全社・その他がマイナスになっていることが営業利益に大きな営業を与えたことがわかります。一方今年度の第二四半期には半導体事業は大幅回復しG&GNセグメントの伸びも目に見える範囲で続伸していることがわかります。


それでは売上高と同じように割合を見てみましょう。

Q216 Q217
MC 8.079% -1.224%
G&GN 41.485% 26.823%
IP&S 32.533% 9.251%
HE&S 38.428% 11.943%
半導体 -9.170% 24.180%
映画 6.987% 3.769%
音楽 36.026% 15.908%
金融 73.362% 17.915%
その他 -71.179% 0.000%
全社 -56.550% -8.566%


Q216に関してはなんと金融セグメントが営業利益の73%をも占めていることがわかります。これは他項目でのマイナスがあるから起こる現象ではありますが、それでも驚くべき割合だと言えます。


Q217に関しては半導体事業が回復したことが大きな特徴です。G&GNセグメントもやはり順調と言えますね。


先日の決算説明会で平井社長は「今回の好業績は通過点でしかない」という趣旨のことを述べていましたが、まさにそうであると思います。G&GNセグメント及びに半導体事業に関してはポテンシャルがあり今後も期待できるセグメントであり、ソニーに関しては稼げないセグメントをどう切り盛りしていくかが経営戦略上、一番の課題になっていくでしょう。