マクドナルド・コーポレーションは米国のでっかいハンバーガーチェーン。
増えてるとも減ってるとも言えない感じで、流石に成熟してる感がある。売上高は240億ドルから280億ドルあたりで推移。利益率も28%前後で安定している。
2015年の売上高254億ドルのうち、どのくらい米国で稼いでいて、どのくらいが海外で得た収益なのかを見てみよう。
めちゃバランスいい。米国で85億ドル、海外の主要な市場(International Lead Markets)で76億ドル、高成長市場(High Growth Markets)で61億ドル。開発市場(Foundational Markets & Corporate)は30億ドルの収益。
海外の主要な市場(International Lead Markets)にはイギリス、オーストラリア、カナダなどが含まれる。言及がなかったが、おそらく日本もここかな?
高成長市場にはロシアと中国が含まれている。開発市場はそのほかの80カ国で展開。
次に、店舗数の推移を見てみると、全体としては3万5千店舗くらいで推移している。
米国はやはりすでに成熟しているのか、増減はほとんどない。主要な国際市場も同じ。
高成長市場と開発市場では増えているものの、大したことない。もうあんまり店舗ガンガン開くぜ!っていうフェーズではないのかもしれない。
ただ一つ面白いのは、売上規模でいうと10%にも満たない「開発市場」でマクドナルド全体の3割近くの店舗が展開されている点だ。これこそがマクドナルドの未来への先行投資であり、リスクヘッジなのかも。
この取り組みがうまくいけば、現在の主要な国際市場よりも成長市場や開発市場の売上が大きくなる時が来るのかもしれない。
最後に、1店舗あたりの売上高の推移を見てみよう。これはマクドナルドというレストランの収益性を測る上ですごく重要な指標だと思う。これは上の2つのグラフで使った数字から計算できる。
これは興味深い。米国市場では1店舗あたりの年間売上は60万ドル程度だが、主要国際市場および高成長市場ではその2倍以上の収益性があるということだ。
スターバックスの場合は年間の店舗あたりの売上高が平均すると80万ドル程度だったので、ファーストフード店として120万ドル(=1.2億円以上)もの売上を出すというのはなかなか収益性高いんじゃないか。
開発市場の売上が低いのは、物価が安い場合があるからなのかも。逆に、中国やロシアなどでこれだけの売上が上がるというのは興味深い。決して物価が高いわけじゃなさそう。
今度は日本マクドナルドとも比べてみたい。