マネーフォワードの上場観測が日本経済新聞社から出ていました。
マネーフォワードは、日本でも数少ない100億円以上の時価総額がついたスタートアップであり(最終ラウンドは200億円弱)、お堅い地銀からも調達しているFinTech企業でした。
ここでまず、マネーフォワードの調達状況を見て見ます。
調達時期 | 2012年12月 | 2014年4月 | 2014年9月 | 2014年12月 | 2015年8月 | 2015年10月 | 2016年10月 |
調達額 | 1億 | 5億 | 0.5億 | 15億 | 10億 | 6億 | 11億(Debt含む) |
投資家 | 早稲田情報技術研究所 | ジャフコ | TBSイノベーション・パートナーズ | ジャフコ | SBIHD | 三井物産 | みずほキャピタル |
三菱UFJキャピタル | クレディセゾン | ジャフコ | Fenox | 三越伊勢丹HD | |||
ソースネクスト | 静岡銀行 | 山口FG | Fenox | ||||
三井住友海上キャピタル | 東邦銀行 | 東邦銀行 | |||||
電通デジタルHD | 三菱UFJ信託銀行 | 北洋銀行 | |||||
GMOベンチャーパートナーズ | 群馬銀行 | ||||||
福井銀行 | |||||||
滋賀銀行 |
次にマネーフォワードの官報を見て見ます。
前期は売上15.42億円で営業損失8.77億円の赤字にとなっています。
「また赤字上場かよ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、前期についてはCMを打っており赤字になるのは当然です。
では、CMを打たなかったらどのくらいの利益が出ていたのか?というのが気になるところです。
そこで今回は、国内外の会計ソフトの会社の決算を見て見ましょう。
まず、国内で会計ソフトを上場している企業の決算を見て見ます。
売上推移です。
続いて売上総利益率と営業利益率です。
平均の売上総利益率は67%、平均の営業利益率は21%と驚異の利益率を誇っています。
マネーフォワードの売上総利益率は52%となっており、平均より売上原価がかかってしまっています。
次に、国外で会計ソフトを上場している企業の決算を見て見ます。
売上推移です。(単位はドル)
次に、営業利益率です。
国内における会計ソフトの売上は低迷しているものの、平均の売上総利益率は67%、平均の営業利益率は21%と驚異の利益率を誇っています。
マネーフォワードの場合、個人向けサービスで月額500円の課金サービスもありこちらも調子が良いらしく、個人向けと企業向けの売上の比率も気になるところです。
また、「MF KESSAI」というファクタリング事業を始めています。ファクタリング事業は、BS的には厳しい事業なわけですが、今回の調達を期にどのように展開していくのか。(2016年10月の11億円を調達したラウンドでは2.8億円を負債で調達しています。)
一方、同時期からクラウド会計を展開していたfreeeは、会計を深く掘っているマネーフォワードと異なりERPの方に展開しています。最終ラウンドは時価総額350億円以上でしたが、こちらはいつ上場するのか。
楽しみですね。